日本整形外科学会学術集会 2020

今年も日本整形外科学会学術集会が開催されました。代表白井は毎年参加しています。

学会では多く講演を聴講可能で整形外科領域の最新の知見にたくさん触れられるため、知識のアップデートを効率よく行うことができます。

今年はコロナ禍のため、オンラインでも開催となりました。現地でいろいろな先生に直接質問したりすることができないため寂しい気もしますが、わざわざ遠方の学会場まで行く必要が無く、自分の好きな時に好きな講演を聴講できるのは便利でした。

昨年も整形外科領域の交通事故診療についてのシンポジウムが開催されましたが、本年も開催されたので内容を興味深く拝聴しました。

今年は弁護士の資格を持ち、整形外科医であるいわゆるダブルライセンスの先生の講演がありました。その中で、自動車賠償責任保険後遺障害診断書の内容の修正を弁護士の先生が医師に依頼するケースについて言及されていました。その先生は診断書の修正により等級が変わることもあり安易に修正依頼には対応しない方が良いと述べられていました。

日本整形外科学会でこのような講演があると整形外科医としては、弁護士の先生からの診断書の訂正には応じづらくなるのではないかと感じました。しかし、実際に鑑定していると”この記載は本当にあっているのか?”と疑いたくなる診断書を見るのも事実です。弁護士の先生が修正依頼をしたくなる気持ちもよく分かります。

やはり、後遺障害診断書を記載する際に細心の注意を払い、関節可動域の測定も丁寧に行うのことが、医師としてはトラブルを避けるためにも大事なことだと再認識しました。整形外科医に対しても、後遺障害診断書の正しい作成方法を啓もうする必要を感じました。

白井康裕

このコラムの著者

白井 康裕

【経歴・資格】
・日本専門医機構認定 整形外科専門医
・日本職業災害医学会認定 労災補償指導医
・日本リハビリテーション医学会 認定臨床医
・身体障害者福祉法 指定医
・医学博士
・日本整形外科学会 認定リウマチ医
・日本整形外科学会 認定スポーツ医

2005年 名古屋市立大学医学部卒業。
合同会社ホワイトメディカルコンサルティング 代表社員。
医療鑑定・医療コンサルティング会社である合同会社ホワイトメディカルコンサルティングを運営して弁護士の医学的な業務をサポートしている。

【専門分野】
整形外科領域の画像診断、小児整形外科、下肢関節疾患